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好きな曲はWTWT、PJ、天手力男とかなんですが、これって珍しいんかな

ストロングスタイルの終焉

11月4日の日刊スポーツ1面はファイティング・オペラ「ハッスル」、そして和泉元彌。格闘技がエンターテイメント系とリアル系のどちらかに二極化されたことを象徴する出来事といっても良いでしょう。

小川直也、橋本真也をベビーフェイスに、高田延彦をヒールに据え、「ハッスル」がスタートしたのが去年の1月。その経営母体が総合格闘技イベント「PRIDE」を主催するドリームステージエンターテイメント(DSE)で、この突然の展開に素人目にもDSEが何をしたいんだかわからず、各方面に向かってボロクソにぶちまけたような記憶があります。

この「ハッスル」をどのように展開させたいのか。普通なら「プロレス界を変えたい」とか「我々がこのようなイベントを通して・・・」とかコンセプトらしき何かを述べてから始めるのですが、そのような説明が一切ない極めて異例のスタート。

プロレスを軽視する発言をしたDSEの社長に小川と橋本が食って掛かるという台本から始まり、かつてガチンコの対戦要求をした小川が高田に再度対戦を迫る。おお、これは日本のプロレス界に脈々と受け継がれている「因縁の歴史」を辿るものか、そう思ったのも束の間、いざ「ハッスル」の蓋を開けてみれば高田は「高田総統」のコスプレに身を包み、「おい、チキンとポーク」と葉巻を片手に吠えている。現役バリバリの総合ファイターであるマーク・コールマンとケビン・ランデルマンが星条旗のタイツを履いて飛んだり跳ねたりしている。

なんじゃこりゃ。誰もがそう思ったはず。

元々プロレスをエンターテイメントとして受け入れる土壌がなかった、というか過去にFMWや冬木軍、一時期は新日本プロレスもその雰囲気を漂わせかけましたが、とにかく馴染まなかったこのジャンル。勧善懲悪、厳しい練習を重ね、それに耐えられた者だけがリングに上がる資格を持つ、というのが力道山の時代から引き継がれ続けたプロレスの世界観で、これは簡単に変えられるものではありませんでした。というかこの頃のハッスルに、潮流を変えるだけの個性があったかというと疑問ですが。

メジャーと呼ばれる団体は「王道」全日本プロレスの流れを汲むノア、「ストロング・スタイル」を標榜する新日本プロレスのふたつ。特に、アントニオ猪木が行った数々の異種格闘技戦でその地位を確立した新日は、昨今の総合格闘技ブームに乗り遅れまいと、団体のエース格の選手を格闘技戦に送り込みました。しかし片っ端から斬って捨てられる始末。新日本は「アルティメット・クラッシュ」なる格闘技色を強く打ち出したイベントを開催したりもしましたが、責任者上井氏の解任と共にこの路線からも撤退。プロレスこそ最強という神話を自らの手で崩壊させたこと、これが大きく影を落として新日は未だ迷走中。

さて話はハッスルに戻ってですね、ターニングポイントとなったのは、やはり小川のPRIDE参戦。一部ファンの間で根強く支持されていた小川最強説を示すためなんだか、ハッスルの宣伝のためなんだかは良く分かりませんが、相手はステファン・レコ。K-1出身のレコは典型的なストライカー。ハイライトといえば「暴君」ピーター・アーツをストレート一発で地に這わせたもので、片や小川はハッスルとかいう中途半端なプロレスをやってやがる、小川大丈夫か?の声多数。

やらせてみたら小川の圧勝。最強の新日戦士がいいところなく敗れ、おちゃらけプロレスの小川が簡単に勝つ。なんという皮肉。このときの小川のコメントをスポーツナビより転載。

「ここのリングに上がることを待ち望む人が多かったことで、ここに戻ってくることができました。PRIDEファンには大変申し訳ないけど、あくまでハッスルを極めるためにコツコツとやっていきます。PRIDEも面白いけど、ちょっと藤井くん(と「ハッスル」Tシャツを取り寄せ)、5.8横浜アリーナでハッスル3があります。ぜひお越しいただければ幸いです。試合終了後にチケットも売っています。最後にひとつやりたいことがあります。やってもいいですか。3、2、1、ハッスル!ハッスル!」

これがきっかけとなって、肉やら紳士服やらプロゴルフやらプロ野球やら、ありとあらゆるところでハッスルポーズが見られるようになって。しかしポーズの認知度が急上昇していったのにも関わらず、肝心のイベントの売り上げが結びつかない。後楽園ホールで行う「ハッスル・ハウス」はそこそこの評判を得るものの、アリーナで行うナンバーシリーズは芳しくない。

そんな中、インリン様が登場したのが去年のクリスマス。かつて新日マットに上がり総スカンを喰らった女性レスラー、ジョーニー・ローラーへのアンチテーゼなのは明らかで、これに戸惑う客も当然いるし、しかしイベント自体はこれで吹っ切れた。古き良き日本のプロレス観が固定概念としてなくなり、メロドラマを見ているような感覚が受け入れられ、回数を重ねて重ねて重ねて、やっとイベントに来る客が定着。

そして、集大成は先日の「ハッスルマニア」。今回高く評価を受けたのが、狂言師というズブのド素人を相手に試合を成立させた鈴木健想と、マイクパフォーマンスとプロレスファンを唸らせるムーブを披露した同大プロレス同好会出身のHGというところに、「ハッスル」というイベントの目指す方向が明らかになったような気がします。

「受けの美学」

この認知、再認識。勝負の結果云々ではなくいかに魅せられるか、もしくは惹きつけられるか。このジャンルの確立は、日本のプロレス史に新たな1ページが加えられたということ、そして待望の新機軸を打ち出したということでもあります。

これから先、和泉元彌で繋がっていくハッスルは見ようとは思わないけど、でも下手な映画を観に行くよりも楽しめるだけの内容は備わってきたんじゃないですかね。レスラーとして活躍するHGはちょっと興味あるなあ。

11/07/2005 00:00 COMMENT(0)TRACKBACK(0)top↑


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